◆Spyrium
7★★★★★★★
ツィートでボードゲームを紹介してみるヴィクトリア時代のイギリスで、高いエネルギー効率と驚くべき特性を持った鉱物が発見された。次々と産業に革命を起し更なる繁栄を齎す鉱物の名は・・・・
スパイリウム
ゲーム概要・デザイナー:ウイリアム・アッティア
・人数:2~5人
・時間:75分
・年齢:13歳~
・年:2013年
コンポーネント・ボード 1枚
・労働駒 7×5個
・ディスク 4×5個
・スパイリウム 50個
・価格トークン 8枚
・ボーナストークン 10枚
・コイン 46枚
・スタートプレイヤーカード 1枚
・スタートカード 5枚
・イベントカード 7枚
・技術カード 7枚
・人物カード 17枚
・建物カード 35枚
ゲーム概要各プレイヤーは財閥を率います。労働者を使って、建物を建設し、特許を獲得し、人物を招聘して勝利点を獲得します。
スタートプレイヤーから順に現在のフェイズに該当するアクションを1つ行います。これを全員がパスするまで繰り返します。フェイズ2への移行はプレイヤーによって違うので、個々で該当フェイズは違ってきます。
フェイズ1:配置フェイズ以下のアクションの1つを実行します
・労働者駒の配置
・ターンイベントの使用
・発動フェイズに移行する
フェイズ2:発動フェイズ・お金の獲得
・カードの発動
・ターンイベントの使用
・建物の使用
・パス
6ラウンド後、最も勝利点を獲得したプレイヤーが勝利します。
ワーカーをスペースに配置し、そこの効果を発揮するワーカープレイスメントゲームです。ワーカーを配置する場所が独特で、面白いです。ボードは無いのでボードにあたるカードを3×3の9枚並べます。ワーカーはカードの左右、あるいはカードの上下に置けるのですが、カードとカードの間にしか置く事が出来ません。つまりワーカーの左右もしくは上下に必ずカードある状態になります。この隣接するカード2枚に対してワーカーは作用し、使用したワーカーは手元に戻ります。
・お金の獲得フェイズ1で配置したワーカーをフェイズ2で使用します。この時、このワーカーが隣接しているカードを1枚選びます。このカードの周囲にいるワーカー(所有者は誰でも構わない)、1個毎に
1£獲得します。・カードの発動カードの種類によって発動の仕方は違うのですが、まずカードのコストを支払います。その後で、そのカードに隣接している他のワーカー(所有者は誰でも構わない)、1個毎に
1£支払います。この効果の違うアクションが非常に効いています。カードは
建物、特許、人物と3種類あります。この中で
建物カードと
特許カードは獲得されてしまうともう何もできなくなります。ワーカーの両隣のカードを獲得されてしまうとワーカーは取り残されるだけで手元に戻すしかなくなるのです。
人物カードは獲得できませんが早く使用した方が効果は高いのです。つまり
カードの発動は早い者勝ちな面があります。しかし早目に獲得しようとしたら他のワーカー分までコストを支払わなくてはいけません。割高になるのです。逆に
お金の獲得はワーカーが沢山いたら、その分お金が沢山もらえます。お得です。これも早目に使いたいアクションです。このジレンマが非常に良いですね~。この状況を見越しながらフェイズ1でワーカーを配置していきます。ジリジリとした展開が熱いのです。
このゲームは常に順番を意識します。
真っ先にプレイするアクションは何か?とか、
やりたいアクションがあるけどコストが高いので1巡待てるか?とか、順番を征するには他のプレイヤーのやりたいアクションを読み取る必要があります。選択肢はワーカーの数によって違いますが、まあカードは9枚なので最大でも9択です。読めなくは無いのです。そうやってお互いに読み合いするのですが、狙いが被りそうだったら、コスト計算を始めます。無理してでもコスト高なアクションをするのか、ここは譲って別なアクションに行くのか?この辺の思考がゲームの肝になるのですが、その判断要素は最終的にプレイ順の巡り合わせだったりもします。これが程よい運加減となっています。
全体的に、こじんまりとしたゲームで、カードバランスに少々難があったりスチームパンク感が唐突だったりもするけどw、流石はアッティア。ワーカープレイスメントゲームの本質、プレイヤー同士の駆け引きは単純化しながらも健在ですね。むしろ剥き出しな感じになっています。通常ドイツゲームと言えば様々な資源を使って勝利点を獲得するものですが、沢山の資源をやり取りするのは手間です。そこで架空の資源
スパイリウムを生み出し資源の一本化を図りました。煩わしい作業を減らし、駆け引きだけに集中させようとしたのです。
ケイラスから9年。進化というより追及と言った感のあるゲームですが、この人のゲームはやっぱり好きだな~。
- 関連記事
-